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なんと最後のブログから約2か月振りの更新。ソロアイドルとして最後のメディア出演「バカリズムの30分ワンカット紀行 東上野編」も良い形で世に出てホッとしたところです。「小泉花恋振り返り」とタイトルを付けているけど、小泉花恋自身の話というより「小泉花恋プロジェクト」の話だし、なんなら私の話が中心です。オレだー!


私の変化


小泉花恋の運営をするにあたって自分を変えたり勉強したりしたことが沢山あります。たとえば始めた当初は30回ほどですが、あらゆるカテゴリーのダンスレッスンに通いました。私はダンスの基礎がないままクラブとアイドルの振りコピで「なんとなく踊れる人」になったので、ちゃんとレッスンを受けたのは初めて。ジャズ、ヒップホップ、ハウス、ロック、バレエ、シアター、バーレスク、フラメンコ、ヴォーグ、ベリー等々、さわりですが基礎を勉強して振付に活かしました(初期の小泉花恋の振付は全て私が手掛けています)。


またファンは愛すべき存在だけれど、時に気持ちが裏返しになって暴動を起こすリスクがゼロではない以上、いざという時は私が花恋を守らないといけない。そこで格闘技を習い始めました。これもいろんなレッスンを受けてみた結果、自分に合っていると感じたのがキックボクシング。ライブのスタミナがつくし、太くならずすぐカーヴィーな体になるので、アイドルにもおススメ。バセドウ病を発症するまでは通って、最悪の事態に備えていました。


音源制作の勉強になったのがテレビ朝日の音楽バラエティ番組「関ジャム 完全燃SHOW」です。毎週録画してコード進行のロジックや歌詞の妙などノートに取って勉強しました。これからアイドル運営になりたい人は絶対に観たほうが良い番組!


小泉花恋とうまくコミュニケーションが取れないと感じた時期には、勉強しに行ってカウンセラーの上級資格も所得しました。資格所得前から感情的に叱らず、私がなぜ良くないと感じたかを話したうえで「なぜそう考えて行動したのか」「どうすれば良かったのか」「同じことを起こさないためにはどうすべきなのか」を本人に考えさせるカウンセリングのようなコミュニケーション法でしたが、私が淡々と直接的な物言いをするうえに、小泉花恋が感情や行動を言語化するのが苦手なのも相まって、詰められるような息苦しさを覚えているようでした。これがちゃんと勉強したカウンセリングの技法を使うことによって、少しまろやかに話を聞き出せるようになったと思います。


外見的なことだと、原色や大きな柄などド派手な服を好んで着ていたのを、現場に立つときは黒や紺で地味になるようにしていました。私のほうが身長が高いし、顔のパーツは全部情緒なくデカいので、遠目にどうしても目立ってしまうことを小泉花恋が気にしていたのがきっかけ(なんてかわいい!)パーソナルカラー診断では原色と黒が得意なウィンタータイプなので、無理に服の色を変えたというより、赤や黄などの差し色を抜いた感じです。

アイドル運営になった2015年当時。特にヲタクを威嚇するような原色の赤を好む。余談だけど、パーソナルカラー診断、自分が何タイプか知ると面白いので検索してみて。


アイドル運営はなにかと走ったりしゃがんだりするので、スニーカーとガウチョパンツ(フェミニンさとアンチセクシャルさのバランスが丁度良い)が定番でした。ヒールを履かなくなったので、太いなりに脚の形がキレイになったのは儲けものだと思っています(ヒールを履くと前ももとふくらはぎが張るので)。


行動で一番大きな変化といえば、自分のなかに「別に嫌われてもいいけど、嫌われてないほうがラクに生きていける」というベースがあるので、人と距離を取りつつ、誰に対してもヘラヘラ愛想良く対応するようにしているのですが(黙ってるとキレてる・睨んでると思われる顔だし)、ナメてつけ上がりそうな気配のある相手に対しては怖い顔を活かして冷たくあしらうようになりました。時には出禁も厭わず、トラブルに対しては最優先事項で動いていたので、自分の仕事が疎かになってしまって、失った仕事もあります。フリーランスは信用第一なので、二度とリピートが掛からないことを思うととても悔しいのですが、反省しつつそういう時期だったと諦めるしかありません。新規で仕事が取れるよう精進します。


お金のこと


小泉花恋卒業から2か月半。一番きかれたことが「ぶっちゃけ儲かった?」でした。ハッキリ言います。3桁万円の赤字です。でもそれを4年×12か月で割って「趣味」と考えると…ふしぎ!「他にもっとお金が掛かる趣味はいっぱいある!」って思う!ちなみに小泉花恋プロジェクトが全て発注された仕事だったら…と皮算用したことがあるのですが、地方都市にマンションが買える額になってしまいました…(笑)。


なぜこんなに赤字かというと、シンプルに私のギャラがずっと0円で遠征以外の交通費を一度たりとも抜いてなかったから。経費もだいぶ出してる。一方で小泉花恋には毎回の売上の3〜4割を渡し、その中から交通費や美容代、交際費、レッスン代、ファッション代などアイドル活動に必要なお金として使ってもらっていました。残りは活動費として貯蓄。決して高額ではありませんが、売上から考えると相当渡しているほうです。


というのも自分が芸能を頑張っていた10代後半〜20代前半、つまり小泉花恋と同い年だった時に一番イヤだったのがお金がないことだったから。お金がないこと自体は覚悟もあって乗り切れることなんだけど、愛人をやってる子や事務所に禁止されている水商売をやってる子の羽振りが良いのを見ては、理不尽や不平等を感じてしまうことが何よりイヤだった。小泉花恋にはそういう思いをさせたくないという気持ちが強くて、「私は自分の仕事で稼ぐ」というスタンスを崩せませんでした。だから私自身は小泉花恋プロジェクトでは赤字だったんです。


小泉花恋プロジェクトはきっちり仕事としてやっていましたが、自分の心の中では「趣味」と割り切るようにしていました。じゃないとお金が出ていくばかりの不健全な経営を長くは続けられません。あとは「勉強させてもらっている」とも思って心の平穏を保つようにしていました。私は聖人君子からは程遠い人間なので、常々「あわよくば回収」と思っていましたが、小泉花恋の良さを潰すような短絡的な商売をしないためにクリエイティブにお金を掛けていたので、最後まで黒字転換することはありませんでした。


アイドル運営は軌道に乗るまで出て行くお金のほうが多いです。特にコストが掛かるのが楽曲制作費、衣装代、アイドルへのギャラ、レッスン代、遠征費、会場費、デザイン費、振付代、WEB制作費など。日々の交通費や雑費、ライブハウスに多い物販手数料(売上の1割)も馬鹿になりません。


アイドル戦国時代に「アイドルは儲かるらしい」とアイドルへの愛がない運営(特にもともと芸能事務所じゃないところが多い)が雨後の竹の子のようにアイドルを生み出しましたが、その8〜9割が既に解散しています。運営が存続を希望するだけの黒字を得て、アイドルたちが「お金がなくて辛い」と思わない額の収入を得るのはとても難しいのです。レッスン費を取るところや、衣装代・交通費が自腹なうえにギャラを出さない運営も多いです。


一見売れているように見えるアイドルのなかにも、上記のような理由で生活できるほどにはギャラをもらえてないのに、ライブや撮影、取材、レッスンが入るせいでバイトをする時間がない子は沢山います。一人暮らしをしているアイドルが影で貧困に喘いることも少なくないのです。切り崩す貯金がなくなった時の選択肢は、「アイドルを辞める」「水商売を始める」「生活を支えてくれる男性を見つける」と、どれもファン泣かせ。もはや私は推しが困ってそうならQUOカードやおこめ券をあげたい(金券プレゼントNGの運営が多いので各自確認をば)。


そういったアイドル業界のお金の話をするとともに、花恋にはいつも「あなたが実家暮らしだから、いまの活動は成り立ってるんだよ。ご家族への感謝を言葉や行動にしてね」と言っていました(普通に良い子なので、私が言うまでもなかったかもしれないけども)。お金の話をする運営は少ないそうだけど、お金の仕組みがわかるといろんなことが腑に落ちるので、定期的に貯めているお金と出入り額を共有していたし、そこに不信感を抱かないようにしたかった。


ラストライブの後にスタッフにギャラを支払って、残ったお金は花恋と折半。今まで私がギャラを抜いてないことを考えれば、全額もらっても…と脳裏をよぎる額ではあったのですが、自分が花恋の立場で考えたら「自分が頑張ったお金」っていう気持ちは拭えないし、どんなに論理がわかっていても感情として納得ができなくて遺恨が残りそうだと思ったから。半額でも大学生にとっては大金だし、将来に役立てる資金になるんだったら私は嬉しいです。


なんでわざわざお金の話を書いたかといえば、愛のない運営のせいで貴重な数年をあまり良い形で過ごせない女の子たちが沢山いるからです。売れる保証がなくても、宝くじのように挑戦し続けないと売れる日が巡って来ないのが芸能。数年はマネタイズできなくても蓄えからアイドルとスタッフにお金を支払える運営が本来あるべき姿だと思います(あくまで私の運営ギャラ0経営は飛び道具的手法)。


「儲かるっぽい」みたいな軽率な気持ちでアイドルを作ってほしくない。キラキラした夢を描いてアイドルの世界に踏み込んだのに、「大人の事情」に振り回されて数ヶ月で解散…みたいな憂き目に遭う女の子が少しでも減ってほしい。だからはっきり言う。儲かるのは実直に面白いことを突き詰め続けて、運も掴んだほんの一握りだけ。多くのアイドル運営は儲かりません。


や・め・て・お・け!

追記:公開当初から少し内容を変更しました

ラストシングルは、1月の中旬にリリースすることが決まったので予算を組んで、1月の下旬に信頼と実績のToo Takahashiさんに2曲のトラックの依頼。2月の中旬にはレコーディングをし、2月下旬に納品したので、超特急でシングル『運命のひと』を制作しました。


「運命のひと」の大枠の歌詞は1時間ちょっとで書けたのですが、あまりに王道すぎて全く引っ掛かりがない、どこかで聴いたことがありそうな歌詞になってしまったので、「何十億人」「何十年」「二度と」「一部」と数字を多用したり、「だ・い・す・き」をウィスパーにして耳をコチョコチョしたり、アイドル好きアイドルらしく「目が合って気になって 気づけば始まって」とアイドルとの出会いを盛り込んだりと、私なりにフックを作って盛り込んでみたつもりです。


トラックは王道のアイドルポップスに仕上がりました。1stトラックからホルンの音を追加したりBPMを上げたりして、「小泉花恋のアイドル活動=青春」を表現しました。ギターソロが入っているので、そこはギターのマイムを付けてもらっています。


「LAST DANCE」は、もともとラストライブのラストシーンを想定して作った曲です。構想は1年半くらい前からあって、今回作るにあたり「これまでの歌詞を全部盛り込んでみよう」と思いつきました。著作権に引っ掛からないギリギリで引用して盛り込むのはかなり大変で、歌詞を書くというより言語パズルを組み立てているような気分で取り組みました。歌詞もそうですし、曲調はエレクトロなので、「運命のひと」より「LAST DANCE」のほうが小泉花恋の集大成といえる曲です。


あまり歌詞を表現するのが得意な子ではなかったから、極力わかりやすい直球の歌詞を書いてきたのですが、LAST DANCEは切り貼りしていることもあって比較すると難解なので、このパートは何を意味しているのか、どの曲から引用してきたのかなど、曲の解説に時間を掛けました。


ラストシングルのジャケットデザインは、卒業しても音楽は残っていくことと、いなくなっても心の支えになっていってほしいという願いから、宗教画のような世界観を目指しました。ジャケットのイラストは漫画家の藍先生に依頼。『ミリオンドール』がアイドル業界の群像劇であること、小泉花恋とプライベートでも親交があることからお願いしました。素敵なイラストを描いていただき、最後にふさわしいジャケットになったと思います。


運命のひと

作編曲:Too Takahashi
作詞:アイザワアイ


青空 そよ風 爽やかな日曜
ねぇきみはどこでなにしてるの?
伝えたい言葉が あふれて止まらない
だ・い・す・き だよ

泣きそうな日もくじけそな日も
頑張れたのはきみのおかげ

何十億人から わたしを見つけてくれた
「奇跡」みたいな確率
何十年が経っても 忘れたくない
本当にありがとう

雨ふり 窓際 ちょいブルー土曜日
きみに無性に会いたくなる
笑わず聞いてね ほんとにそう思うの
だ・い・す・き だよ

嬉しいときも幸せなときも
一番先に伝えたいの

何十億人から わたしを選んでくれた
「特別」になる幸せ
二度とはない人生の 一部をくれた
大切なひと

目が合って気になって
気づけば始まって
ふたりの運命が交わっていた

何十億人から わたしを見つけてくれた
「奇跡」みたいな確率
何十年が経っても 忘れたくない
本当にありがとう


LAST DANCE

作編曲:Too Takahashi
作詞:アイザワアイ


今日が終われば 別の道 歩んでく
遠ざかる影 伸びて離れ
今日という日が過去になっていく

透明な心 眩い景色 鼓動高め行こう
わたしだけのなにか探し

きっとね きっとね 恋に似た感情
だってね だってね  ハート忙しい
ずっとね ずっとね 視線釘付け
やっぱね やっぱね 泣きそうよ
だって LAST DANCE

明日がくれば またひとり 戻るだけ
熱おびて 背中追い越し
今日という日を懐かしむのだろう

進む勇気 軽快な足音 籠の外の未来
わたしだけが見れるもの

まってね まってね  この瞬間(とき)だけは
えっとね えっとね  幻じゃない
もっとね もっとね  踊りたいの
そっとね そっとね  涙拭き
魅せる LAST DANCE

この先は疑問でいっぱい
でも前を見てく
時々は止まっていいよ
成長痛だって ADVANCE

いつかまた会えるとしたら
幸せと言って
この気持ち名前をつけて
成長中いまも ADVANCE

La La La La Lan Lan
La La La La Lan Lan
La La La La Lan Lan
焼き付けて これが LAST DANCE


2月に発売された卒業カウントダウンシングル第一弾「好きすきスキスKiss」について。以下2月にバババッと書いて、下書きに入れていたものを少し校正したり書き足したものです。


下のほうに歌詞も掲載しているので、「歌詞が見たいだけなのに、ブログ長ぇよ!」という方は頑張ってスクロールして辿り着いてください。

2018年の9月のバースデーに併せて作った新曲が、卒業のタイミングで音源化できました。配信限定なので、ここに歌詞とクレジット、それぞれの楽曲解説と「アイドル3部作」についてお話ししたいと思います。


「好きすきスキスKiss」収録の2曲は、小泉花恋楽曲では「今日、彼女が卒業する。」「タピタピタピオカ」「#らぶりつください」の3曲を作編曲してくださっているToo Takahashiさんに作編曲をご依頼しました。


実は表題曲の「好きすきスキスKiss」より前に「ANOTHER WORLD」の構想があり、Too Takahashiさんにお願いして、「今日、彼女が卒業する。」「#らぶりつください」「ANOTHER WORLD」の3曲で、アイドルの悲哀をテーマにした3部作(通称、というか私が呼んでる:アイドル3部作)にしようと考えていたのです。「今日、彼女が卒業する。」がいきなり卒業がテーマなので、時系列は滅茶苦茶ですが…。


小泉花恋がアイドル好きであること、つまりアイドルファンの目線を持っていることから、「アイドルの卒業を悲しむファンの曲を作ってみよう」と思ったのが「今日、彼女が卒業する。」です。実はこの曲、Apple Musicをはじめとしたサブスク(定額音楽聴き放題サービス)の小泉花恋曲ランキングで1位で(2019年2月現在)、小泉花恋のファンだけでなく、他のアイドルファンの方にも聴いていただけているのかな?と予想しています。ふぁんふぁん人気はハイテンションな「パンダとダンパ」が1位なので、面白い現象です。


Too Takahashiさんとの出会いは、『ワンランクウエノガール』収録曲制作のために仕事発注サイトに掲載したオーディション形式でのトラック募集。集まってきた何十曲というトラックを聴き比べながら、「あまりピンとくるものがないな」と思っていたなかで、「これだ!!!」と思ったのがToo Takahashiさんのトラックでした。それが「今日、彼女が卒業する。」になって今に続いているので、本当に良縁に恵まれたと思います。


「#らぶりつください」は、いいね!とリツイートを希望するTwitterのハッシュタグです。「もしアイドルが他のアイドルのファンに片思いをしたら」をテーマに歌詞を書いたのですが、メインテーマは横恋慕なので、女性も男性も共感できる部分があると思います。スマホカルチャーを織り交ぜつつ、ネトストして病んだり、本人も気づいてないようなクセを見つけてキュンとしたりと、心のアップダウンが激しい歌詞になりました。


そして今回の「ANOTHER WORLD」へとつながるのですが、アイドルと他界(応援していたアイドルから離れること)は切り離せない問題で、他の世界→ANOTHER WORLDと、曲作りはテーマありき。重いテーマなので、トラックは明るく・かわいく!と思い、Too Takahashiさんには「00年代半ばに大流行した乙女HOUSEをアイドル風にアレンジ」とお願いしています。4つ打ちが気持ち良いので、ぜひトラックだけ聴いてみてほしいです!


「ANOTHER WORLD」の作詞のヒントになったのは、オフコースの「秋の気配」という曲。「こんなことは今までなかった ぼくがあなたから離れていく」という、自分が相手に興味を持てなくなっていくことを、さも自分は悪くないかのように悲しんでいる、言ってしまえば超ワガママな歌詞ですが、たった2フレーズでものすごくセンチメンタル(そしてこれが愛らしく聞こえるのが小田和正のすごいところ!)。タイトルと相まって恋愛が斜陽していく切なさが描かれていて、いつか自分もこんな世界観の歌詞を書いてみたいと思っていました。


アイドルから他界するときによくいるのが、他にもっと気になる子ができただけなのに、心が離れた理由をアイドルに見出す人です。アイドル自身は何も変わっていないのに、新たに気になっている子と比較すると、悪い面ばかりが目について、「病んだ」「自分は干されている」「裏切られた」と言いながら離れていくのです(新しい子の悪い面がまだ見えてないだけなのにね!)。わざわざ本人に言ったり、誰を指してるか明確なエアリプで非難するな、黙って離れろ!…なんて見掛けるたびに思うわけですが、アイドル業界ではわりと日常茶飯事な光景。


「ANOTHER WORLD」の主人公はそこまでではありませんが、予備軍だと思っています。好きだったアイドルに色々言いたいことはあるけど、ぐっと踏みとどまって別れを告げずに去っていく。傾けた時間と想いと財布が重くなればなるほど、見返りがほしくなるのは当然。


でもアイドルはどんなに頑張っても全員と恋愛関係になることはできないわけで(そもそも恋愛禁止が圧倒的に多いし)、ふたりの間に適切な関係を結ぶことは至難の業です。だからアイドルとファンの関係がずっと良好であり続けることは奇跡に近いし、いつ離れてもおかしくはないと思っています。


「ANOTHER WORLD」がそんな陰鬱とした気持ちにさせる曲なので、表題曲の「好きすきスキスKiss」は底抜けに明るい曲を目指しました。小泉花恋の盛り上がるキラーチューンといえば、「パンダとダンパ」で、もう1曲ハイテンションな曲が必要な時期だったんです。


Too Takahashiさんから届いた1stトラックがチップチューンだったので、歌詞はそこから着想してパワーバランスで言うと男の子のほうが余裕がある両片思いをコミカルに描きました。女の子は彼に翻弄されながらも、あれこれやってみては一喜一憂する。ラブコメのような世界観です。


1番を聴きながら歌詞を書いていたら、後日届いたトラックの2番に唐突な野球テイストが入っていて大爆笑。特にオーダーしていなかったのですが、Too Takahashiさんの小粋な遊び心に「絶対これは活かそう」と思い、振付はそのまんま、ここ一番のバッターのマイムにしました。ホームラン予告をしたのにアウトというガッカリ感もラブコメ漫画にありがちな脳内の妄想をイメージしています。


そういえば今回は振付師の安里エル先生が忙しいそうで、2曲とも振付は私が作りました。「好きすきスキスKiss」は、「愛してね♡もっと」のカバーで使っていた羽根扇子を再活用。ソロアイドルは振付を工夫しないと「ステージにポツン感」が出やすいので、羽根扇子でボリュームを持たせて動きを大きく見せるのは大成功。ステージの背景が真っ黒なところが多いので、白い羽根扇子はとても映えます。「ジュリ扇だ〜」と興味を持って見てくれる人が多いのも良かったです。



好きすきスキスKiss

作編曲:Too Takahashi
作詞:アイザワアイ


どこか違うシーソーゲーム
基本なんかなんかなぁ
うまくいかん遺憾です
パサパサとシリカゲル

なにが違うタクティクス
応用なんかなんかなぁ
うまくいけば活き場です
サラサラとキリアゲル

抜き足忍び足 アイツに忍び寄る
横顔見て真顔
♡はきっと大接近

好きすきスキスKiss!?
見え透き!わかり易き!
好きすきスキスKiss!?
好きくらいじゃ足んない!足んない!

なぜか違うキネティクス
実践なんかなんかなぁ
うまくいって生還です
スルスルとシイタゲル

浮き足千鳥足 アイツが搾り取る
泣き顔見て笑顔
♡がずっとズキンズキン

好きすきスキスKiss!?
見え透き!わかり易き!
好きすきスキスKiss!?
好きくらいじゃ足んない!足んない!

好きすきスキスKiss!?
たやすき!こころ易き!
好きすきスキスKiss!?
好きくらいじゃ足んない!足んない!

かっとばせ!れんれん!♡をと・ば・せ!
かっとばせ!れんれん!♡をと・ば・せ!

3・2・1・3・2・1踏ん切りつかぬ!
3・2・1・3・2・1…
セリアゲル

好きすきスキスKiss!?
見え透き!わかり易き!
好きすきスキスKiss!?
好きくらいじゃ足んない!足んない!

好きすきスキスKiss!?
たやすき!こころ易き!
好きすきスキスKiss!?
好きくらいじゃ足んない!足んない!

キスくらいじゃ満足できない!


ANOTHER WORLD

作編曲:Too Takahashi
作詞:アイザワアイ


ああ気づいちゃった
もう好きじゃない
あんな追いかけて心変わり?違う

いろんな人とモノを 見てみたい時期だった
それを浮気者って笑顔で刺す

海より深く空より高く
使い古された言葉並べていたな
世界にたったひとりの女の子に 別れを告げず
GO TO THE ANOTHER WORLD

知りたくなかった
もう熱がない
この気持ちの名前は知ってる

手を握った
それだけでよかったと思っていたな
二人を別つルール

綺麗事を並べて渦巻く
喧嘩 嫉妬 独占欲
胸が苦しいよ
世界にたったひとりの女の子に さよなら

一生愛すと言ったあの日
気持ちは本物 本当に

ありがとじゃなくまたねじゃなくて
たったひとつの言葉もらえなかった
世界にたったひとりの女の子に 別れを告げず
GO TO THE ANOTHER WORLD


小泉花恋の戦略のひとつに、「クリエイティブのクオリティを上げる」というものがあります。クリエイティブに力を入れた最も大きな理由が、「クリエイティブのクオリティが高いアイドルは、規模が大きく見える」ということです。


まずそれを実感したのがホームページ。初期はいろんなイベンターさんに「ホームページを見て、ここの運営/アイドルはしっかりしてそうだと思ってオファーしました」と言われました。1回のライブに来てくれるファンが1〜2人しかいないこともザラだった時代に、大きなライブに出るチャンスが度々巡ってきたのは、ホームページの力が大きかったと思います。


多分、インディーズアイドルの1/3以上はホームページを持っていません。それはブログとTwitterなどのSNSを使えば、ライブスケジュールや注意事項など、スピード感が大事な情報発信なら事足りてしまうから。さらにホームページはSNSと比較すると運用コスト(金銭も労働力も)が高い。ホームページを持っているのに更新しないグループが多いのは、情報の鮮度と発信の手軽さがSNSに劣ってしまうからに他なりません。


でも考えてみてください。興味を持って調べる時に、まず見るのはホームページとWikipediaだと思うんです。ブログとSNSはノイズが多く、ほしい情報にすぐ辿り着くのが大変。でもホームページならコンテンツごとにページがわかれているので、スケジュールならスケジュールを、プロフィールならプロフィールをすぐに読むことができます。


これはファンになる可能性を秘めた「興味がある」程度のライト層と、仕事を発注する人からすればとてもありがたいこと。ほしい情報をすぐに見つけられないSNSやブログは、よっぽどの熱意や目的がないと途中で離脱したくなってしまいます。つまり、ファンと仕事を獲得するチャンスをダブルで逃してしまいかねないということなんです。


ただ、先述の通りホームページの運用は結構大変。そこで多くのアイドルグループはクラウド型のCMS(要はテンプレートである程度形になって、ブログ感覚で更新できるホームページサービス)を使っていると思います。「WIX(ウィックス)」や「Jimdo(ジンドゥー)」などがそれにあたりますが、今ジワジワ増えている印象なのが「Ameba Ownd (アメーバ オウンド) 」です。


小泉花恋のサイトもAmeba Owndですし、私のこのサイトも独自ドメインですが、中身はAmeba Ownd。Ameba Owndを選んだ理由として…

・BILLIE IDLE®が使っている
・初期費用と月額使用料が0円
・知識やスキルがなくても、簡単にサイト構築から運用までできる
・サーバーの準備やソフトウェアの設定の必要がないので、「とりあえず作ってみっか!」というテンションで作れる
・Google Analyticsを入れられる
・独自ドメインが使える
・自由度が低い


Ameba Owndのサービス開始が2015年の3月で、2015年4月デビューのBILLIE IDLE®を始めとしたWACK界隈がいち早くAmeba Owndを導入してて、「CMSなのにオシャレなサイトだな」と思ったのをきっかけに、2015年の8月にAmeba Owndで小泉花恋のホームページを立ち上げました。


Ameba Owndは自由度が低く、いまだにエディター上で文字色を変えることができません(2019年5月現在)。できることが少なくて不自由に思うこともありますが、実はそれこそがAmeba Owndでサイトを作るとオシャレになる秘密だと思うのです。私は「侍魂」などのテキストサイト全盛期を経たネットユーザー。つい強調したい時にはフォントサイズをデカくしたり、文字色を変えて目立たせたくなってしまうのですが、それをやっちゃうとオシャレからは程遠くなってしまいます。機能が制限されたからこそ、しっかりとした印象のサイトになったんです。


デザインのトンマナ

小泉花恋のキャラクターがおっとりほんわかしていることと、ご当地アイドルという特性上、デザインは、「上野感」「スタイリッシュ過ぎない」「少しのスキを作る」「でも見る人が見たらデザインがしっかりしていることがわかる」ことをトンマナに、親近感がわきつつも素人臭すぎない温度感を保つようにしました。


たとえば、小泉花恋のロゴの真ん中の蓮の花(上野の不忍池といえば蓮)は手描きイラストなので、手描きにしか出せない温かみがあります。ロゴの漢字にはパンダが隠れていて、デコラティブだけどクドくなく、楽しさやかわいらしさを表現。小泉花恋のコンセプトはこのロゴに集約されていると言っても過言ではありません。

Tシャツやバッグのデザインは「普段遣いできる」ことを大事にしました。lyrical schoolやMaison book girlなどファッション性が高いアイドルは女性ファンが付きやすく、グッズもおしゃれ。女性ファンが増えるとアイドルの成長曲線が一気に右肩上がるという私の肌感覚もあり、小泉花恋のグッズもファッション感覚で身に付けられるようにしました。

これが一番最初に出したTシャツ。フロントはKAEN KOIZUMIの文字ですが、ぱっと見なんと書いてあるのかわからず、アイドルのグッズTには見えません。これを着ることで、ファンが少しおしゃれで小ぎれいに見えるので、新規が流入しやすい空気ができます。THEヲタTなデザインにして、仲間意識を芽生えさせて結束を強めるのと逆の戦略です。


その代わり、ネックには必ずロゴを入れました。ネックプリントを追加することで、1枚あたりの原価が200円上がるのですが、首元にロゴを入れることで、ライブの時に小泉花恋を知らない人が後ろから見て「今、小泉花恋のTシャツを着ている人が前にいっぱいいるから、小泉花恋っていうアイドルなんだな」と認識できて、知るきっかけに。これはTシャツの原価を上げてでも得たい価値があります。


そんな商売っ気のない貧乏運営でしたが、特典券・チェキ券・サイン券はプラスチック名刺で作ってお金を掛けました。プラスチック名刺の利点として、折って保管されないので再利用ができることまでは予想していたのですが、紙と違って思うように色が出なかったので再現性が低く、複製しづらいのは思わぬ収穫でした。

ポイントカードは厚手の名刺用紙に両面印刷したオリジナル。名前を書く欄を付けることで、来てくれた方の名前を覚えやすくなりました。


こういうちまっとした小物のデザインのクオリティが高いと、「そんなところにまでお金を掛けられる→お金に余裕がある」と思われがちだけど、お金を突っ込むところと切り詰めるところの落差が大きいだけです。お金の話はまた後日。


写真のクオリティ

アイドルは何かと写真素材が必要です。アーティスト写真、ホームページ用素材、生写真、CDジャケット、写真集…それらをカメラマンをアサインしてスタジオを押さえて、レタッチャーに修正してもらうと相当なコストが掛かります。だからといって、白い壁の前でスタッフがスマホで撮った写真を使っていれば、地下アイドルっぽさから抜け出すことはできません。


小泉花恋の写真の多くは私が自宅で、もともと持っていた幅180cmバック紙とスタンド、80cm角の照明2灯、45cm角1灯で簡易スタジオを作って、一眼レフで撮影しています。自主企画のスタジオ撮影だけで4年弱で20回以上、4冊出した写真集の撮影での屋外ロケとは別に取材での撮影が入りますから、アイドルの規模のわりに撮影が相当に多いほうでした。

活動期間に撮った写真のほんの一部。自分の体がキレイに見える立ち方やポージングは、撮られてみないとわかりません。沢山撮影されることで、撮られ慣れてポーズや表情にバリエーションが出てきますし、NGカットが少なくなっていきました。


衣装のこと

小泉花恋は4年弱のソロ活動で30着以上の衣装があります。これは大手アイドルグループレベルの多さです。だからといって、衣装にお金を掛けたわけではありません。小泉花恋の衣装は大きく、

・市販
・お下がり
・自作
の3つに分類されます。


市販の多くはネット通販で5000円以下の商品です。特にBODY LINEというコスプレとロリータ服に強いお手頃な店を活用しました。そのままだと他のアイドルとかぶってしまうので、パンダを縫い付けたり、小物を作ってオリジナル風に。


ソロアイドルは衣装を1人分だけ用意すればいいので、私が過去にハロウィンで着てため込んでいた衣装や、花恋の友人、妹などのお下がりの衣装もリメイクして着ていたりします。本人が高校生の頃から服飾を専攻していて、大学もその道に進んだので、リメイクはほぼ本人が担当。装飾だけでなく、ブカブカな服をタイトにしたり丈を詰めることで、スタイルが良く見えますし、アイドルの衣装らしくなります。


小泉花恋による自作衣装は5着。デザイン画を描いて、パターンを引いて、布を切って縫って形にする…といえば簡単に聞こえますが、一度でも服を作ったことがある人ならわかるはず。めちゃめちゃ大変なんです。

特に評価されたのがパンダの衣装。「上野大熊猫」に合わせて作った衣装ですが、直球でパンダアイドルであることがわかります。NHKの『沼にハマってきいてみた』の「パンダ沼」にもこれを着て出演したので、アイドルのある種の「珍妙なほどに誇張する」ことの大切さを実感しました。

私には広く浅くいろんな経験とスキルがあるのですが、それは楽観的に「とりあえずやってみて、わかんなければ都度勉強すればいいし、どうしても向いてないなら辞めればいいや」と身軽にチャレンジしてきたからだと思います。そんな背景から試行錯誤したり行動して学ぶことを重視しているので、小泉花恋にもいろんなことをやらせてみました。


何が向いているかなんて、やってみないことにはわからないし、どこからブレイクするかなんてわかりません。チャンスはつかみ取りに行かないと、向こうからやってくることなんて滅多にないのです。さらにアイドルは色んな経験を積んだほうが、表現に幅と奥行きが出てくるので、単に歌やダンスレッスンだけでなく、他ジャンルにもどんどん挑戦したほうが良いというのが私の考えです。


何かをするときには必ず説明したうえで「やる?」と尋ねるので、無理強いしたことはないのですが、想像していたより大変だったことは多かったはず。小泉花恋は私と真逆の性格で、新しい事を始めることにものすごいハードルを感じるタイプ。「やる」とは言ったものの、慣れるまでに時間が掛かって辛かったこともあったと思います。それでも乗り越えて成長していったので、その経験は今後「あの時乗り越えられたんだから、今もきっと大丈夫」という自信になっていくはずです。


いくつかご紹介したいと思います。


・ラップ女子校

lyrical schoolが開催した7日間のワークショップ。ラップとはなんぞやから始まり、ラップを書いてラップするという、普通の女の子のラッパー育成プログラム。講師陣が超豪華で、どちらかというと私が行きたかったんですが、年齢制限に引っ掛かり花恋を送り込んだ形です(笑)。ラップ女子校についてはTogetterでまとめたので、こちら↓をどうぞ。

全く何もわからないところから、こんなに素敵な楽曲とMVができたので感動しました。ここでの学びが「今日、彼女が卒業する。」のポエトリーリーディングにつながっています。


・ひげ剃りメーカーイベントコンパニオン

アイドルを続けるためには、先立つものがないといけません。小泉花恋は実家暮らしの大学生なので切羽詰まってはいないものの、将来的にアイドルだけで食べて行けないなら、生活のためのアルバイトもしなくてはならないはずです。試しに私が関わっていた広告系案件のイベントコンパニオンをやらせてみることにしました。イベコンなら芸能に近いし、ファンも付き、次の仕事につながりやすいのでアイドルにはぴったりだと思ったんです。


採寸して作ってもらったナース風コスチューム。周りはプロ意識バリバリで百戦錬磨のイベコンちゃんばかり。のんびりぼんやりアイドル業界にいた花恋は「周りのお姉さんが厳しい」と言いながらもテキパキと仕事を進めていく姿に刺激を受けていたようでした。この後、「この仕事、花恋ちゃんどうかな」とCMなどの相談もあったので、仕事にこそならなかったものの、顔を通しておくことの重要さを改めて実感しました。


・グラビア

ライブアイドルが水着になる是非はありますが、私は水着になれることは強みになると思っています。いま売れているアイドルや若手女優で水着を通らなかった人はほとんどいませんし、水着になることで雑誌の表紙を飾れたりもするのです。


私がグラビアをやっていたときは、「現役早大生グラビアアイドル」という「インテリ」と「グラビア」という相反する要素が武器になりました(でも自分でインテリって書くと恥ずかしいね!)。小泉花恋はセクシャルな匂いがしないアイドルですが、「清楚」と「グラビア」は相反した武器になると考えたのです。


4冊出した写真集とCHEERZで勝ち取った『ヤングアニマル』のプレゼントページグラビアを材料に、誰もが知る超メジャー誌が決まりかけていたのですが、卒業のスケジュール変更により実現しなかったのがとっても残念。まぁ仕方ない。


余談ですが、人によってはグラビア撮影って淫猥なイメージがあるかもしれないけど、私の場合は「いかに自分の体を美しく見せるか」を探求しながら撮られていたので、エロからは程遠かったです。ちょっとした角度の違いで全然違って見えるのが写真マジック。沢山撮ってもらって、沢山悔しい思いをして(腹が出て見える!脚が短く見える!とかね)、沢山トライ&エラーを積み重ねたから、自分が撮る側に回ったときにアドバイスできるようになったわけです。何がどこで役に立つかなんてわからないものだなー。


・食レポ

できると強い武器になるのがグルメレポートです。グルメレポートが得意だと、情報番組のレポーターの仕事が受けられます。さらに最近のテレビ業界は予算のなさから街ブラ番組が増えていて、気の利いたコメントができると、ゆくゆくは好感度タレントへのジョブチェンジも夢じゃないのです。


そう思って自分がグルメレポーターだった時のノウハウを全て教えこみました。電車サイネージや渋谷の7つのビジョンなどで放映された食レポは事前に沢山練習をしたので良い感じです。何よりファンの皆さんが「出てたね!」「見たよ!」喜んでくださったのが嬉しかった。

実際のところは小食で子ども舌なので、フリーのグルメレポートはお世辞にも上手くはならなかった。どれくらい下手かといえば、杏仁豆腐を食べて「牛乳でふやけたパンみたいな味」と、なぜかパンで表現しがちだったので、パン例えを伸ばしてあげれば良かったのかもしれない。そうなるともはや芸人の枠になってしまうけど…。難しいね。


・お芝居

ここまで書いてきて、花恋にやらせてきたことって結局は自分がやりたかったことや、やって良かったと思ってることだと気づいた…。芝居は観るのも演じるのも好きです。


初期の小泉花恋には、ライブ中に笑顔以外の表現ができないという弱点がありました。でもチクタクテレポートのアウトロのワープゲートを開いたり閉じたりする振付は真剣な眼差しがほしかったので、何度も「そこは真顔で」と指導しても、ついヘラヘラしちゃう。歌詞や世界観を解釈して体現するということが苦手だったのです。


舞台は4本出演して、コメディからシリアスまで演じていくなかで、「役の誰かになる」ということが身についていったように思います。歌詞を渡すときに「この主人公は普段何をしていて、何が楽しくて、何について悩んでいて、休日は何をしてるか考えて。そして歌詞を頭の中で映像にして覚えて」と言うのですが、最初は全くできなかったのが、少しずつできるようになっていきました。


スキルアップを感じたのは、花恋と時々やっていた2人朗読劇です。始めた頃は棒読みだったのが、何回か舞台を経験することで、緩急や強弱をつけたり、感情を乗せたりすることができるようになって、観客に風景を見せるまでになりました。それはライブにも活きていて、「れんれんはライブが良い」と言ってもらえるようになったのは、お芝居を経験したことも大きかったと思います。